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  • 112回目「海辺のカフカ:村上春樹(新潮文庫)」

    村上春樹は中学生かそこらくらいに『ノルウェイの森』を読んで、ナルシスティックな世界観がどうにも自分には合わないと思い、それ以降、読むのを敬遠していた。どうせ、ちょっと影がある感じのミステリアスなイケメンが生の喪失感に悩むような話なんでしょ、と高を括っていた。と、同時にハルキストと言われる村上春樹大好きな感じの人達が、どうにも苦手であった。ジャズ聴きながらウイスキーのウンチクを垂れる人種だと思っていた。 ところが、2年くらい前に、何かのきっかけで『蛍・納屋を焼く』という短編集を読み、なんやけっこうおもろいやんけ、と思い直し、やはり読まず嫌いはダメだと考えを改め、この度、長編の代表作のひとつ『海辺…